日本語コミュニティを学習者のパートナーとする ―拡張現実(AR)を使い日本語学習者と話者を結びつける (The Japanese Community as Partners in Active Learning: Using Augmented Reality to Connect Japanese Language Learners and Speakers)
Aoyama, R. (2018). 日本語コミュニティを学習者のパートナーとする ―拡張現実(AR)を使い日本語学習者と話者を結びつける. 日本學刊 (Nihon gakkan), 21, 152-170. https://doi.org/10.32319/gakkan/2018/vol21/aoyama
Abstract
香港の日本語教育はこの 40 年間、学習者、教師、教育機関ともに大きな変化を遂げた。1970 年代の学習者は日系企業で日本語を話す必要に迫られ学び始めたが、現在は趣味のため教養のため日本語を選択している。一方、教師は日本語教育学の訓練を受けた専門的教員が増加し、多くの教育機関で日本語課程が正式に開講されるようになった。香港の日本語教育は 1970 年代の草創期から 1980 年~2000 年代の成長期を経て、現在の成熟期に達したと言える。一方、教室で日本語を習う学習者が、香港で実際に日本語を使い生活する日本語コミュニティの人々と交流する機会は限られている。本稿では、香港の日本語コミュニティと学習者を結びつけるために拡張現実という技術がどのように応用できるかを考える。まず拡張現実がいかに教育に活用されているか紹介し、この技術を用いて香港の日本語コミュニティを拡張し、日本語を日常的に使う人々と学習者を結び付ける方法を提示する。学習者が現実の場面でどのように日本語が使われているかを自律的に発見し、香港と日本の歴史文化的繋がりを探索できる可能性を考察する。